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2018.10.25

年商数千万・赤字・債務超過でもM&Aを成功させる凄腕承継アドバイザーの仰天発想法

▼ シリーズ「継がせ人」 水兼税理士グループ 株式会社喜創産業 代表取締役 山本将司 氏 ①

こんにちは。バトンズ運営人 アンドビズのCEO大山敬義です。

皆様は日本最大の「オンライン事業承継マッチングサービス」バトンズはもうお試しいただけたでしょうか。
バトンズ上には様々なあとつぎを探す譲渡企業の情報が掲載され、誰でも自由に閲覧することができ、自分にあったお相手を選び、心ゆくまで交渉することができます。
しかし、不動産などと違って会社や事業の場合、単純に相手の定量情報の羅列だけでは企業の実態は掴めないだけでなく、経営的にやるべきか止めるべきかの判断もつかない、と二の足を踏むケースも多いでしょう。

そうした時頼りになるのが、この道の専門家の存在。
安全な取引のための手引きとなるのは勿論、経営判断に当たっても多くの示唆を与えててくれる存在です。
こうした専門家のことをバトンズでは「承継アドバイザー」と呼んでいます。

しかし弁護士や税理士といった資格者ならともかく、そもそも継承アドバイザーってなに?何をしてくれるの?という疑問を抱かれる方も多いはず。
そこでこのブログでは、私、大山が直接継承アドバイザーにインタビューしてその実態を皆様にお伝えしたいと思っています。
題してシリーズ「継がせ人」

記念すべき第一回は、先日秋葉原で行われた会計事務所博覧会でのイベント「大廃業時代に立ち上がる! 会計事務所が実践する顧問先の後継ぎ探し」での対談から、広島県三原市の承継アドバイザー、山本将司さんに登場いただくことにしましょう。
因みに山本さんはバトンズ内では「難案件ハンター」の異名をとり、絶対これは無理だろう、と思う引き継ぎ案件を可能にする凄腕の持ち主。
その本当の秘訣を伺います。

(この記事は2018年10月18日開催の会計事務所博覧会での対談を再構成したものです)

大山  「こんにちは。アンドビズの大山と申します。」

山本氏 「喜創産業の山本です。よろしくお願いします。」

大山  「そういえば、喜創産業さんって水兼税理士事務所のグループなんですよね。会計事務所とはどういう関係なんでしょう?」

山本氏 「実は私は元々銀行員なんです。地元の信用金庫から広島銀行に転職し、その後独立したのですが、その時当時のお客様だった水兼先生に声をかけてもらったのです。グループ内の位置付けとしては会計事務所は過去から現在までの会計を、喜創産業は未来の計画をそれぞれお手伝いする、という感じです。」

大山  「なるほど。でも失礼ですが広島県の三原市という場所で将来計画のコンサルティングの仕事を取るのは結構大変ではないですか?」

山本氏 「私は銀行にいたので資金調達の相談とかは得意なんですね。中小企業の存続や発展にはお金の調達は切っても切り離せないものですから、その相談を乗っているうちに、会社の将来計画までコンサルティングをするようになったのです。
因みに最近相談で多いのは私のYoutubeの動画からですね。」

大山  「なんと、Youtubeからですか!?」

山本氏 「最近のヒット作は例のカボチャの馬車の話ですね。あの手のファイナンススキームに騙されないためにはどうしたらいいかとか、逆に不動産投資はどうやるのが上手くかとか、ともかく沢山の人が見てくれますね。」

大山  「確かに。Youtubeなら地域は関係ないですしね。」

▼あるホテルに提案した仰天のシナジー効果

大山  「山本さんはバトンズでもかなり難易度の高い案件を成約されていますよね。なぜそんなことが可能なのか、そして実際にどういう提案をするのか是非具体的な例で教えて欲しいのですが」

山本氏 「そうですね。例えばこの事例は若い人が一人でやっているインターネットのせどり事業の例です。具体的には日本とアメリカのAmazonで両方で売っている商品を自動的にリスト化して、価格差が開いたら一方で買い、一方で売る。要は転売ですね。」

大山  「その案件は知ってます。確か売上は5000万円で、表面上は赤字でしたが役員報酬を考えると実質は800万円弱程度の利益、というところですよね。個人の副業には良さそうだと思いますが、結局このビジネスを誰が買ったのですか?」

山本氏 「地元のホテルです」

大山  「はあぁ?ほ、ホテルですか?なんでもまたホテルが、そんなものを?」

山本氏 「三原は新幹線が止まるといはいえ、それほどホテル需要が多い場所ではありません。ところがそこに最近全国チェーンのホテルができ競争が激化しているのです。
ホテルの売上は単価と客室数と稼働率で決まり、ある意味天井が決まっています。しかもこの状況下では何をするにも多額の資金がかかることは避けられません。」

大山  「ああ、私も以前温泉旅館の経営をやっていましたあらそれはよくわかります。なにせホテル業は設備産業ですからね」

山本  「そうです。ならば、こうした売上の物理的な天井がなく、かつ設備産業ではない、つまりアセットを持たない事業、言い換えれば高いROAの事業を持つことでその限界を超えることができます」
「もう一つ言えば、転売には一時的に仕入れのコストが必要ですが、そうした事業にはまず銀行の融資がつきません。しかし設備産業であるホテルは担保物権を持っているため、金融機関から必要な資金を借りるのが容易です。」

大山  「なるほど、確かにそうですね。そこが成功の秘訣だったと」

山本氏 「だったら良かったのですが、最近人手不足で宅配便などの運賃が大幅に値上げされたでしょう?あれで買収後に赤字になってしまったのです。」

大山  「ちょ、ダメじゃないですか、それじゃあ」

山本氏 「そこで慌てたらダメです。ネット上の売買なら当然過去の購買リストは全て残っているわけですが、それを分析したところ運賃負けしない、つまり粗利が高い商品群が存在していることがわかりました。」

大山  「つまり利益率の高い商品にビジネスを絞ったと」

山本氏 「購買リストから利幅が高く、人気の高い商品はアメリカの4大スポーツ(アメフト(NFL)、バスケットボール(NBA)、野球(MLB)、アイスホッケー(NHL)のグッズだとわかったのです。そこで思い切ってこの4分野に絞り、商品点数は2500点から4000点に増やしました。」

大山  「そこで逆に増やしちゃうんですか。思い切りましたね。」

山本氏 「大事なのは、特に異業種の場合は、誰がやっても同じことができる再現性が高いビジネスだということです。この事業の場合はこうした作業がほぼ自動化されていたので、市場環境に応じて変化させることができたわけです」

大山  「なるほど、参考になります。因みに売買価格はいくらだったのでしょうか?」

山本氏 「譲渡額は800万円、手数料は諸々で200万円でしたので、約1000万円ですね」

大山  「2年もあれば元が取れますね。でもそれ以上にホテルという枠を超えてビジネスの可能性が広がったの大きいですね。」

山本氏 「そうです。事業だけでなく、経営者を見て、この人は何を一番望んでいるのだろう、ということを考えながら、一緒に未来の計画を作っていきます。M&Aというのはそのための最良のツールなんです」

転売業とホテルというビックリの異業種マッチングを披露した山本さんですが、その発想力からくる驚愕のマッチング事例は、長くM&Aの仕事をやってきた自分でも驚くばかりです。
まだまだ続くこの対談ですが、次回は従業員1人、売上2000万の企業ながら素晴らしい結果となったスーパーマッチング事例をご披露いただきます。
お楽しみに。

 

(執筆)

オンライン事業承継・M&Aマッチングサイト

運営人 アンドビズ株式会社代表取締役
大山 敬義

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