承継事例紹介

2018.12.21

伝統継承の現場をご紹介!新「こんかこんか」の販売がついにスタート

▼石川県金沢市にて池田商店が製造していた魚のぬか漬け「こんかこんか」は、30年以上も熟成されたぬかで漬けられ、旨味を生み出し続けていました。しかし、池田商店の廃業危機に伴い、こんかこんかの製造もストップ。そんな愛されたこんかこんかの味を失わせまいと、東京都渋谷区に本社をおくAMD株式会社が2018年春に池田商店の事業を引き継ぎました。これは引き継がれる伝統をご紹介するだけでなく、伝統継承の新しいカタチのご紹介でもあります。

 

待ちに待った半年

 

こんかこんかは、鯖などの魚をぬかに漬けて作られます。ただ漬ければいいという話でもなく、長期間漬けていると、重力で樽の上層と下層で味の濃淡が出てしまいます。そのため、途中で上と下を入れ替えたり、甘めのぬかを足して味を調えるとのこと。付け替えては1か月待ち、それでも納得できなければもう一度付け替えて1か月待ち、そうして半年ほど経ってようやく出荷できる状態になります。

 

2018年10月末、AMDが事業を引き継いでからはじめてのこんかこんかが漬け上がりました。当然この間売上がない状態ですから、久々に食べれるというお客様以上に、AMDとしても待ちに待った時かもしれませんね。

 

新「こんかこんか」はここが違う

 

クリエイティブプロダクションであるAMDは、ブランドを継承しつつもさらなる価値を生み出そうと工夫を凝らしています。これまで商品名だけ書いたシンプルなパッケージだったものを、こんかこんか復活に至るストーリーをパッケージ一面に記載し、いわば“読み物”のようにしました。これには卸しているお土産屋さんも「こういうパッケージは初めて見た」と驚きを隠さなかったようですが、地元の商品を文字通り知ってもらえると好評です。

 

新しいパッケージは、開封すると製法や食べ方について記載されている、ちょっとしたガイドブックになります

 

2018年内には、新しくECサイトも起ち上げる計画とのことで、金沢までいけないけれど一度食べてみたい、という方にはこのECサイトから購入することもできます。このように、池田商店時代にやりたくてもできなかったことをAMDが次々と実現していきます。新しい伝統継承のカタチとは、伝統的な製法や技術などを引き継ぎつつも、今の時代に合った売り方やブランディングを取り入れていくことなのかもしれません。

 

大盛況だったこんかこんか復活祭

 

11月17日、こんかこんかが漬け上がったことを記念して復活祭が行われました。場所は、「北陸ツーリズムの発地」をコンセプトに人気を博すホテルHATCHi。当日の目玉は、金沢で人気のお店とこんかこんかのコラボ商品です。この日しか食べれなかったというから、食べたいと言ってももはや後の祭り。パン屋こくうとのコラボ「こんかこんかベーグルサンド」やlove lotusとのコラボ「こんかこんかトリュフ」など、商品名を聞くだけで「それって合うの?」と言ってしまいたくなる不思議コラボですが、これらのコラボ商品も、瞬く間に全て完売してしまいました。お客様からもおいしいとの声があり、AMDの中神さんも「うれしかった」と語ってくれました。これもまた、伝統に新しい可能性が見えた瞬間です。

 

復活祭ではHATCHiの店頭に屋台を出しました

 

この他にも、こんかこんかを使ったオリジナルオイル漬けワークショップや、HATCHiの和食ダイニングa.k.a.でこんかこんか特別メニューが販売されるなど、こんかこんか尽くしの一日となりました。「まずは地域の人にもっと食べてほしい」以前そう語ってくれた中神さんの想いは、このように広がっていくのだと思います。

 

今後も続くファン作り

 

池田商店とAMDの縁をつないだ中山会計の小嶋さんは、事務所のお歳暮としてこんかこんかを注文してくれるなど、単なる会計事務所の関係を超えて“ファン”になってくれているといいます。現在は、限られた販売量の中で池田商店時代の既存のお客様をベースに販売を行っているそうですが、復活祭のようなイベントやECサイトを通して金沢に、そして全国にたくさんのファンを作っていくこの過程を、我々はもっと知らなければならないのかもしれません。

 

伝統が失われないよう、引き継いでいく。こんかこんか復活の物語は、そのカタチとしてひとつのお手本になるのではないでしょうか。

 

▼池田商店とAMDの記事はこちらから

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