ノウハウ

2019.01.04

M&Aの勉強を始める方へ!最初に知っておきたい業界用語5選

▼近年、M&Aは商店街の総菜屋さんから街の水道工事屋さんまで、小さな会社においても盛んに行われるようになっています。しかし、M&Aには特有の業界用語がいくつも存在します。そのため、普段M&Aに携わっていない人にとっては、突然業界用語に出くわすと、とまどってしまうことも多いようです。そこで今回は、「M&Aをするなら絶対に理解しておきたい用語」を5つお届けします。

 

 

対象企業を把握するための「ノンネームシート」

 

M&Aの買主にとって、「ノンネームシート」が対象企業を最初に知るきっかけとなることも少なくありません。ノンネームシートとは、特定されない程度に対象企業の概要をまとめた資料のことです。「ティーザー」という言い方もされますが、ティーザーの方がノンネームシートよりも多くの情報が記載されているものを指すことが多いようです。対象企業の情報を、買主が興味を持つかどうか不明な段階で詳細に開示してしまうことは好ましくありません。そのため、ノンネームシートにより匿名の状態で企業の概要を買主候補に示すことになります。

ノンネームシートには、業種、所在地、財務内容、従業員数、希望条件などが簡潔に記載されています。まずは、このノンネームシートを閲覧して気になる対象企業を絞り込むのがM&Aの第一歩といえるでしょう。

 

「NDA」による秘密保持の締結

 

NDAとは「Non-Disclosure Agreement」の略で、秘密保持契約を意味します。CA(Confidentiality Agreement)と呼ばれる場合もあります。ノンネームシートで興味を持った対象企業があれば、買い手はNDAを締結した上で詳細な情報開示をしてもらうことになります。

NDAの主眼は、開示された情報について第三者に漏らさないことです。なぜなら譲渡企業にとって、財務内容や企業機密だけでなく、譲渡を検討していること自体が外部に漏洩してしまうと企業の存立にも関わる大問題となりかねないからです。NDAがあるからこそ売主も詳細な情報を開示し、買主候補と中身のある話ができるということでもあります。いずれにしてもNDAの締結は契約上の義務を負うことであるという点はよく覚えておきましょう。

「独占交渉権」ってなに?

 

買主候補として時間やコストをかけて対象企業を調査している最中、にわかに「他の買主に売ることに決まりました」と言われたら、買主としてはどう感じるでしょうか。これでは落ち着いて交渉をすることができないません。またこれは買主のみならず、売主にとっても、好ましい結果を導き出しにくくなるおそれを孕んでいます。

こうした事態を避けるため、買主に対して付与されるのが「独占交渉権」です。一般的に独占交渉権は買主と売主の間で取り交わす基本合意書(LOI)や覚書(MOU)において、一定期間、売主が他の買主候補と交渉しないという条項を入れることが多いです。独占交渉権の内容は、基本的には売主が第三者と交渉することを一切禁止するものですが、買主候補を自発的に探すことを禁止するなどの取り決めも行われることがあるようです。また、違反した場合のペナルティの有無も含め、当事者双方が納得できる内容を定めるよう心がけねばなりません。

 

「デューデリジェンス」でリスクを回避する

 

デューデリジェンス(Due Diligence, DD)とは、対象企業の財務内容などを詳細に調査する手続きのことをいいます。デューデリジェンスには財務DD、ビジネスDD、法務DDなどがあり、視点によって調査を行う人や範囲も変わります。なお、単にデューデリジェンスという場合には財務DDを指すことが多いです。

財務DDの具体的な手続きは、公認会計士や監査法人に依頼するのが一般的です。また、お互いになんらの合意もなしに資料をひっくり返して調査したいと売主に言っても、普通は断られてしまいます。従って、基本合意書を締結した後に財務DDを行います。その時点で行われるものであるため、財務DDは性質として企業評価とは異なり、明らかになっていない簿外負債がないか、または未計上になっている費用がないか、粉飾がないかなどといった調査を行うこととなります。

 

意外と便利な「DES」という手法

 

会社の負債を資本に変える手法があります。デット・エクイティ・スワップ(DES)と呼ばれる手法です。DESは苦境に陥った会社を救済するために利用されることが多いです。

たとえば、債務超過になっている会社に対して貸付金を有している債権者が、貸付金を放棄する代わりに会社の株式を取得するといった具合です。法的には債権者が貸付金という債権を会社に現物出資したものとされます。債権者は株式を取得することになるため、M&Aのように会社を買収したのと同様の効果があります。債権を無理に回収しようとした結果、会社が破綻してしまうよりも、投資を通じて長期的に資金を回収した方が有利な場合もあるということです。

実務では、社長からの役員借入金をDESにより株式として、他の株式とまとめて譲渡を行うことなどが考えられます。役員借入金を返済するだけの現預金が対象企業にない時などに有効なときがあります。

 

基本用語を覚えて、臆さずM&Aに挑もう

 

以上、M&Aをするなら是非とも理解しておきたい5つの用語を足早に確認しました。M&A業界も一段と標準化され、大衆化してきましたので、是非挑戦してみてください。

 

関連する記事